木を扱っています。といっても漠然と、,,,

自分の写真
nagoya, aichi, Japan
1956年、名古屋産、工学系、我関せず、刳るものは拒まず去る者は追わず、淡々、

2008年11月1日土曜日

尾頭のクス 終章

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そこには森があった。森と空の中に、点々と家があった。クスノキは森の一部に過ぎなかった。いろいろな生き物の中の、たんに一つに過ぎなかった。

幾度となく時の波が寄せては、いろいろなものをさらっていった。木々をさらい、獣をさらい、草花をさらい、鳥をさらい、虫をさらい、空をさらい。そして、人が押し寄せ、田畑が押し寄せ、道が押し寄せ、家が押し寄せ、やがてアスファルトとコンクリートがあたりを埋め尽くした。

人と森と住処が遠のき、樹への親しさが遠のき、頼る人、祈る人が遠のいた。

やがて、大きなクスノキは、いらなくなった。

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憩う場所が欲しかった。あれを妄う場所が要る。

あの樹の跡へ、この木を置こう。

木陰に似合うと思ったけれど、そこはまぶしい。

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